「Make in India」の実態
ナマステ!インドに呼ばれた気がして思い切って渡印してしまった日本人スタッフの稲垣です!
インドではGDPを向上させるため、2014年から行われている施策があります。
今回は「Make in India」についてお話ししようと思います。
「Make in India」とは
「Make in India(メイク・イン・インディア)」は、インド政府が2014年に発表した経済政策の名前です。この政策の主な目的は、インド国内での製造業の促進、外国直接投資(FDI)の引き寄せ、そしてインドの製品を世界市場に供給することです。モディ首相が主導するこの政策は、インドの経済成長を加速させ、雇用を創出し、インフラや技術の革新を促進することを目指しています。
主な政策内容は以下です。
- 製造業の強化: インドを製造業の中心地にすることで、国内での生産を増やし、世界市場への供給を目指します。
- 外国直接投資の促進: 外国企業に対してインドでの投資を促進し、インドの製造業の成長を支援します。これにより、インフラの整備や技術革新が期待されます。
- 雇用創出: 製造業の拡大により、新たな仕事の機会が生まれることを目指し、特に若年層の雇用を創出します。
- 経済の多様化: インド経済の多様化を進め、製造業を中心に他のセクターとのバランスを取ります。
なぜこの政策を行っているのか
「Make in India」の主な目的は、新たな雇用機会を創出し、第二次および第三次産業を強化することです。インド政府がなぜこんなにも国内産業を守ろうとするのか、そこにはあるわけがあります。インドは長い間、貿易赤字から来る経営赤字に苦しんでいます。インドの経済はソフトウェア開発やコンピューターサービスなどのサービス収支と、中東諸国への出稼ぎ労働者をはじめとする国外からの送金の第二次所得収支に助けられています。しかし、その二つでは貿易赤字を相殺できていません。また、インドではIT産業が発展し、家電製品やパソコンなどの耐久消費財の需要は輸入品によって賄われてきました。そのため、インドではこれらを国内で生産していく力に伸び代があるんです。そこでこのような政策が取られているというわけです。
「Make in India」の主要分野
「Make in India」は、いくつかの産業分野で特に力を入れて推進されています。
- 自動車産業: インドはすでに自動車製造大国であり、国内外の自動車メーカーがインドでの生産拠点を拡大しています。「Make in India」は、インドを世界の自動車製造の拠点とすることを目指しています。
- 航空宇宙産業: インド政府は、航空機や航空機部品の製造を推進し、インドを航空宇宙産業の重要なプレイヤーにすることを目指しています。
- 電子機器: インドは、スマートフォンや家電製品などの電子機器の製造にも注力しており、国内需要の増加とともに製造業を強化しています。
- 化学産業: 化学製品や薬品の製造を強化し、世界的な市場に向けて供給を行うことを目指しています。
- 鉄鋼・金属: 鉄鋼や金属製品の製造を増強し、国内外の需要を満たすとともに、輸出を拡大することが求められています。
成果と進展
「Make in India」は、今年で10周年を迎えました。多くの成功を収めており、以下のような成果があります。
- 外国直接投資の増加: 政策開始以来、インドには外国からの投資が増加しました。インド政府は、規制緩和やインフラの整備に注力し、多くの国際企業がインド市場に参入しています。日本の企業も例外ではありませんよね。
- 製造業の成長: インドの製造業は、特に自動車、電子機器、消費財の分野で急速に成長しました。例えば、インドは世界のスマートフォン製造の主要な拠点となり、世界的なブランドがインドで製造を行っています。
- インフラの改善: インフラの整備(道路、鉄道、空港など)が進み、製造業の競争力を高めています。また、特に工業団地や物流インフラの整備が進んでいます。
挑戦と課題
しかし、「Make in India」にはいくつかの課題もあります。
- 労働市場の柔軟性の欠如: 労働法の規制が厳しく、製造業の成長を妨げる要因となっています。労働市場の改革が必要です。
- インフラの不足: 一部の地域ではインフラがまだ整っていないため、物流や製造プロセスに支障が出ることがあります。これを解決するためにさらなる投資が必要です。
- 技術革新の遅れ: インドには高度な技術を持つ企業もありますが、依然として一部の産業では技術革新が遅れており、国際競争力を高めるためには技術開発が求められています。
「Make in India」では、多くの成長を収めていますが、政府の期待するペースで発展しておらず、GDPにおける製造業の割合目標には達していないです。
まとめ
「Make in India」は、インドの製造業を強化し、世界経済での競争力を高めるための重要な政策です。外国投資の増加、雇用創出、技術革新の促進など、多くの成果が上がっていますが、インフラ整備や労働市場の改革など、まだいくつかの課題が残っています。インド政府は今後もこの政策を推進し、製造業を中心とした経済の成長を図っています。インドの重要な政策、「Make in India」。日本人として、インドのITの技術に頼るだけでなく、長期的な友好関係においても、インド国内市場のことも考えるきっかけになりました。
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